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乾しいたけは、その形から大きく2種類、「冬茹(どんこ)」と「香信(こうしん)」に分けられます。重要なうま味成分グアニル酸・グルタミン酸の量は、ほとんど変わりませんが、歯ごたえ、舌ざわり、のど越しが異なります。「どんこ」は傘の肉が厚く全体的に丸みを帯びていますが、「こうしん」は傘の肉が薄く扁平な形をしています。また、「どんこ」と「こうしん」の中間の大柄なものを「こうこ」と呼んでいます。
乾しいたけは、野菜類に無いビタミンDや、欠乏しがちな食物繊維、ミネラルが豊富に含まれます。
キノコ類にはビタミンDが含まれていますが、特に乾しいたけには生鮮キノコ類の約9倍のビタミンDが含まれています。これはしいたけに含まれているエリゴステロールと言う成分がビタミンDに変化するためです。 乾しいたけは、炭水化物(糖質と繊維質)とタンパク質が主な成分ですが、カルシウム、鉄分などの無機質やビタミン類なども含まれており、野菜には含まれていないビタミンDを多く含んでいます。ビタミンDは、腸からカルシウムの吸収、骨へのカルシウムの吸着など体内でのカルシウム代謝に大きな役割を果たしています。
乾しいたけは、血圧やコレステロール値を下げると言われていますが、他のきのこ類にはないエリタデニンという特有の成分が含まれているからです。エリタデニンは血液中における悪玉コレステロール値(LDL)を下げ、善玉コレステロール値(HDL)を高め、総コレステロール値を下げる働きをします。
血圧が気になる方は、就寝前に乾しいたけを1個水洗いし、100〜150ccの水の入ったコップに入れ、冷蔵庫に朝まで入れておき、起床したらそのしいたけの戻し汁を飲んでみましょう。血圧を下げるのに効果的です。
乾しいたけは、レンチオニンという芳香成分により特有の香りがします。レンチオニンは、乾燥過程や水戻し中に酵素の作用などにより、しいたけに含まれているレンチオニン酸から生成されます。この芳香成分は、高い温度よりも低い温度で水戻しをした方がより多く、また調理の段階においても生成されますが、30分以上煮るとせっかくの芳香成分のほとんどが分解拡散してしまいます。したがって、香り高い美味しいしいたけを味わうためのポイントは「水戻しは低い温度」「調理は短時間」で行うことがコツです。
乾しいたけの保存にあたっての大敵は湿気ですので、開封後は密封容器に入れて冷蔵庫のような暗冷室で保存するのが良いでしょう。保存性に優れた乾しいたけですが、油断をしていると、アミノ酸と糖質が反応して色がつき、香りも悪くなってしまいます。賞味期限は袋に記載されています。(通常半年〜1年)。
乾しいたけのエリゴステロールは、紫外線によってビタミンDに変化しますので、調理前に太陽に1〜2時間あてることによってビタミンDの量を増加させましょう。それから、乾しいたけを水でサッと洗い、ゴミやホコリを落とします。 その後、低温(冷蔵庫中がベスト)で5〜10時間水につけておきます。この方法で戻すと、味と香りが最も良い状態で戻すことができます。もう少し早く戻したいときは、少し水戻しをし、好みの大きさに切ってから再度水戻しをします。
参考資料:「しいたけひとくち知識」/日本椎茸農業協同組合連合会
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