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Report.05 浜松市天竜区 |
浜松市立光が丘中学校体育館 |
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浜松市立光が丘中学校体育館
浜松市天竜区山東2701
黒川哲郎+(有)デザインリーグ一級建築士事務所
(株)杉浦組
2009年1月
木造一部(スケルトンログ構法)、RC造2階建て
杉
建具類にも天竜杉がふんだんに使われている |
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頑丈なジョイント金具でアーチ状に組まれた天井 |
室内に足を踏み入れたとたん、目に飛び込んでくるのは天井一面に張り巡らされた天竜杉の丸太です。天竜杉の特長である木目のおおらかさ、木肌の艶やかさ、伸びやかな姿をありのままに見せたダイナミックな景観が広がっています。
これは「スケルトンログ構法」で組まれたもので、材料強度が製材より13〜20%高い丸太材を皮剥ぎ自然乾燥し、大スパン架構と軸組のスケルトンとする、公共建築の木造化のための地域材活性化技術です。丸太には育った地域の特性がよく表れ、その余材から仕上げ材や下地材なども採れる点でも経済的です。
使用された丸太は約280本。光が丘中学校のOBや保護者、地元有志らにより、区内の山の丸太が提供されるなど、万全の協力を得て集められたもので、地元の人々が故郷の学校に寄せる想いが伝わってきます。
丸太は葉枯らしに3〜6ヶ月を要し、天然乾燥を経た後、各丸太の強度を測った上で、使用する箇所が設定されています。また接合金具も重要で、その精度が全体の精度に影響することから、特注で生産されたものが使用されています。
「スケルトンログ構法」が県内の大型公共施設で採用された最初の建物であり、三層のアーチ状にデザインされた天井の景観が、新感覚の木造体育館として地元の人々から愛されています。
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