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取材協力:伊東市役所 まちづくり推進室
昔は東海館のような温泉旅館が軒を並べていた。(写真提供:伊東市)
駅前広場の再開発を契機に、「それなら街を含めてもっと広い視野で活性化をしていこう」と、新しい街づくりの気運が盛り上がっている伊東市。伊東市もお隣の熱海市と同じように、景気の良かった時代があり、近代化が急速に進んだ。温泉・観光客を受け入れるキャパシティが大きく、色々な客層のニーズに応えるため「総合デパートのような温泉地」に成長してきたという。その反面、街の個性がしだいに失われていった。
川岸の整備がゆきとどいた松川河口の景観。
東海館は伊東市のシンボル的な木造建築物。
(写真提供:伊東市)
昔は東海館のような温泉旅館が軒を並べていた。
(取材当日のもの)
緑がよく映える木造三階建ての古建築。
平成12年にまとめられた「中心市街地まちづくり基本構想」や、これを受けて動きはじめた「まちづくり協議会」の活動には、こうした反省が根底にある。地域住民を主体に、その考えを行政が支援する。街に住む人々、1人ひとりが街を自分のモノとして考え街づくりに参加する、官民一体となった新しい試みが進められている。
こうした伊東市の温泉叙情を象徴する街並みが、松川沿いに立つ温泉旅館「東海館」周辺だ。「温泉文化香る東海館界隈」として、平成14年度の静岡県都市景観賞で最優秀賞(静岡県知事賞)も受賞した。昭和3年に建てられた木造三階建ての古建築は、いま旅館として営業されてはいないが、市民の声により、寄付を受けた市が修復に着手し、現在は市の観光・文化施設として活用されている。
望楼をもつ独特のたたずまいは、隣接する「いな葉館」とともに往時の景観をよく伝えている。かつては、この松川沿いに、こうした三階建ての旅館が連なっていたという。「何十年か時間を巻きもどせるなら、こんな風にはならなかっただろう」と、まちづくり推進室の山田室長。地域住民の意見を主体に、これから新しい街並みのイメージが具体化されていくところだ。
伊東市役所 |
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