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大鐘家

木の家が、地域の歴史を語る

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漆喰塗りと杉板の壁の
コントラストが美しい「長屋門」。

国道150号線沿いに、大井川を西へ渡っていく。ほんの微かだった潮の香りが一段と強くなり、左手に海岸がぐっと近づいてくる。静波海岸が、片浜海岸と名を変えるあたりに、花庄屋「大鐘家」の看板が目に留まる。案内に従って車を進めると、立派な門構えの建築物に、一瞬タイムスリップしたかのような錯覚を起こしてしまった。

 

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瓦屋根が見事な母屋。

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太い見事な大黒柱。

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四百年の歴史を支えてきた、複雑で力強い梁と柱群。

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なんとこの時代にも床下収納が・・・先達の知恵だ

「長屋門」と呼ばれる門は、屋根が茅で葺かれていて、郷愁とはまた違った懐かしさを思わせる。早速、今は資料館として親しまれる「大鐘家」の専務、大鐘正典さんに話を伺った。約四百年前に「大鐘籐八郎貞綱」によって建築された、という大鐘家の佇まいは、今でも建築当時のままである。

「維持管理が大変でしょうね。」と水を向けると、「そうなんですよ。瓦にしろ、手葺きのガラスにしろ、今は手に入りにくい物ばかりで特注品になってしまい、経費が嵩むんですよね。」なるほど、やはり特注品か、と思う。「まぁ、今は国定重要文化財に指定され、修繕の経費は国や県から補助があるので助かるんですが・・。」と大鐘さん。それでも、日々のご苦労は相当なものだろう。茅葺き屋根も、最近葺き替えたということだ。葺き替えの職人さんが現在稀少で、その手配だけでも相当な手間と時間がかかったという。

さて、どっしりとした長屋門をくぐると、その先にあるのが母屋である。軒下の、太く無骨な梁、柱に圧倒されるが、それはまだ序の口。玄関の引き戸をくぐり、まず目に飛び込んでくるのは、自然の曲がりを生かし、複雑に入り組んだ梁、柱群だ。四百年という時を超えてなお、この建物が威風堂々とした威容を見せるのは、この梁や柱のおかげだろう。土間の釜戸も当時のまま残されていて、遙かな昔の生活を忍ばせる。居間への上がり框に使われている木材は、海水を含ませることによって虫食いを防いでいる、とのこと。ここにも先人の知恵を垣間見ることができる。

この他にも、くぐり戸や苔生した瓦屋根、なまこ壁が美しい土蔵など、見所に事欠かない。また、広い庭に咲く紫陽花や花菖蒲など、季節ごとに花の美しさも併せて楽しめる。土蔵にある大鐘家にまつわる貴重な美術品や資料も、この木の家の歴史とともにあることに感動を覚える。

DATA
建物についての詳細はこちら(PDF:46KB)

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