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プロフィール
建築関係の仕事から広告のグラフィックデザイナーに。そして8年ほど前に家具デザインの世界に。つくるモノは違っても「思い」をカタチにすることは同じ、自分の中では同じ道を歩いてきたという岩本さん。モノづくりと環境問題が切り離せなくなった現代、再生産が可能な木は環境に優しい素材とはいえ、すぐに捨てられてしまっては意味が無い。長く愛される家具をつくっていきたいという。
家具職人としても腕をふるう岩本さん。
某スーパーの依頼で製作した陳列台(下部)。
想像から創造へ向かう楽しい時間。
日本人の感性に調和した「けうら」なデザインを!
現代の日本の住まいに、日本人の感性に調和した家具を提案したい。長く愛用される「けうら」なデザインの仕事をしたいと、岩本さんはグラフィックデザイナーから家具デザインの世界に飛び込んだ。
社名のキーワードともなっているこの「けうら」とは、平安時代の古語で、日本人がはじめて美的なものを形容して使った言葉だそうだ。「竹取物語」の中で、美しく成長した「かぐや姫」をさして「けうらなること世になく」という風に使われている。洗練されて美しい様をいい、岩本さんが追求する家具デザインにおける精神的な支柱ともなっている。こうした彼の思いを、静岡県産のヒノキ・スギを使用して具現化したのが「HINOKICRAFT」というオリジナルブランド。「装飾しないことがデザイン」というコンセプトに基づいて生み出されたシンプルな家具は、木の素材感を生かす有機質塗装の配慮と相まって、一般の家庭をはじめ、学校や幼稚園、スーパーなど、幅広いユーザーから支持されている。
家具づくりをはじめて8年。いま、岩本さんが、不安に思っているのは、日本の森は針葉樹が多すぎるということだそうだ。もっと広葉樹の森が増えれば、落ち葉が土を育て、キノコ類など小動物のエサも豊かになる。木目の表情が豊かな広葉樹は、家具づくりの素材としても面白いという。
バランスの良い森林形成、そして森の手入れができれば、川が生き返り、海が豊かになる。結果として地域の私たち住民が、その恩恵にあずかることができる。そんな森づくりのために自分も協力したいと、岩本さんは語ってくれた。
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