ホーム > 木職 〜もくしょく〜 > 有限会社 番匠:眞瀬悦邦:大工・工務店:木職
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プロフィール
創業は江戸末期。歴史ある遠州大工の心と技を継承する工務店、番匠の7代目。地産の天竜材の利用を活性化させるとともに、伝統の技を継承するだけではなく、耐震面等では新しい技術も取り入れ、現代にふさわしい木造住宅を追求。森につながる家づくりをめざす「森と住まいの会」のメンバーとしても活躍している。
木造の家の魅力を伝える建築士としても活躍する真瀬さん。
若手の技術者の養成するために建築中の研修棟。
同上
職人の腕が生きる、木造住宅をつくっていきたい。
「国産材でやると高くつくというイメージがあるでしょう。それは誤解ですよ」と話すのは、天竜材を使った木造住宅に力を入れている番匠の眞瀬さん。建坪40坪、建築費2500万くらいの家で、材料となる木材のコストは200万程度。1割にも満たない。外材の影響を受け、国産材の価格はこの20年間ほぼ横ばい状態なのだそうだ。木造住宅を建築する際のコストとして大きなウェイトを占める一つの要因は技術代、大工さんの手間賃だ。これを削減する方法が量産型ということになるのだが…。眞瀬さんは大手ハウスメーカーのような、職人技が生かせない家はつくりたくないという。地場の天竜材を、地場の大工さんが加工した木造住宅。そこには長い歴史の中で試行錯誤され、鍛えられた英知がある。施主さんが適正に家づくりを評価する目をもてば、決して高いものでないことが分かるはずだという。そんな思いで眞瀬さんが着手したのが施主参加型家づくりだった。
山を訪ね、木を見て、山主さんと対話する。製材所で材の話を聞く。建築現場では施主自らが自分の腕をふるってみる。家づくりに携わる人がどんな人間なのか、お互いの顔が見えると、意識が変わってくるという。職人だって手が抜けない。「地場の材を使う。山が生きる。消費者も安心。トータルで考えていかないと」。
工務店に頼めば中味の濃い家ができる、そんな関係を築いていきたいという。「職人の腕が生きる家をつくっていきたいですね」。もっと職人が表舞台で活躍できれば、その技は次の代へ受け継がれていく。そんな木造住宅を考えて行きたいと、眞瀬さんは設計者としての抱負を語ってくれた。
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