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木材の床には、飛び跳ねたときに足が受ける衝撃を適度に和らげてくれます。
木材に物が衝突したときは、まず表面層の細胞がつぶれ、さらにつぎの層の細胞がつぶれるというように、順次細胞がつぶれていくようになっています。そしてその細胞は、パイプ状で柔軟に変形します。このように、木材は衝撃力が加わったときに跳ね返るまでの時間が長くなるのです。つまり、木材の細胞とその構造によって衝撃力が吸収されるわけです。
人が歩いていて無意識に衝突する速さは、毎秒1.5〜3.0m。また、転倒したときに衝突する速さは、毎秒4.0〜6.0mといいます。これは転倒の場合、小錦くらいのお相撲さんがのしかかったとの、ほぼ同じ力を身体に受ける力に相当します。固い床材などでは、その何倍かの衝撃力となるのはいうまでもありません。建物内の階段や床で転んだり、壁などにぶっかって死亡する事故は予想以上に多く起きています。屋内でも一歩誤れば、危険につながるといえるのです。
こうした危険を防ぐためには、床や階段の表面材料を滑りにくいものにすることも大切ですが、床や階段、壁などを木材にしておけば、さらに安心です。このような配慮は、住宅だけでなく、病院、老人施設、公共施設等においても欠かせないものとなっています。
水窪小学校木の床の廊下
各材料にガラス玉を落とした時、ガラス玉が割れる高さ
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