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1部:各講師による講演

「木使い県民運動」とは?「木使い県民運動」の背景「木使い県民運動」イベント報告

「しずおか木使いnet」ってなに? 「木使い県民運動」イベント報告

木と快適性

(宮崎良文氏/森林総合研究所生理活性チーム長)
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ヒトが誕生して500万年経ちますが、そのうち都市化された環境に住むようになったのはほんの数百年です。ですから、本来私たちの体は自然対応型にできていると考えています。
例えば、杉のにおいをかいだ時、このにおいを好きと答えた人は血圧が下がります。これに対して、通常嫌いと答えた人はストレス反応で血圧が上がるはずですが、この実験では血圧の変動はありませんでした。つまり、生理的にストレス反応を起こしていないということが分かります。また、白い壁と杉の壁を見せる実験でも、白い壁は抑うつ感や怒りの感情尺度が上昇し、杉の壁はそれらが減少しました。これらは端的にヒトの体が自然対応型にできていることを示すと考えています。但し、別の実験では、同じ快適という表現が使われても、脳の活動に違いが見られるという結果が出ました。毛足の長いカーペット、無塗装のフローリング、畳が足触りがよいと評価されましたが、脳の活動にはそれぞれ違いが見られたのです。これからはこのような個人の価値観についてのデータも出てきて、これが重要視されてくると考えられます。

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木と手ざわり

(櫻川智史氏/県静岡工業技術センター副主任)
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木材を触ったときに人はどのような印象を持ち、どのような身体の変化が起こるか、大学生の協力で探りました。その結果、木材、あるいは温めた材料は「快適」と感じ、木材以外の材料と冷やした材料は「不快」と出ました。そして木材は冷やしても「自然」だと感じ、木材以外は人肌に温めても「人工的」だと感じています。
ということは、温度だけの影響だけではなく、さまざまな刺激を木材から受け取っているということがいえます。
材料に触ると刺激を受け取るので脳が一度活動します。そのあとが木材と他の材料とでは少し違っています。木材では脳が活動している時間が長続きしている。自然感と快適感を感じて脳が活動しているのではないかと考えています。
血圧を測ってみますと、金属に触ったとき、ポンと血圧が上がり、そのあとジワジワと上がる。木材は、同じように触ったとき、血圧が上がりますが、ジワジワ下がってくる。やはり体がリラックスしているんだなということが分かりました。木質素材というものは、心にフィットする材料であったと改めて感じ取ったわけです。

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木目のふしぎ

(今山延洋氏/静岡大教育学部教授)
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木目模様の魅力とは何でしょうか。例えばまさ目模様は定規で描いたような直線ではなく、フリーハンドで描いたような縞(しま)模様です。そこには、旺盛に成長した明るい早材とじわじわと成長した暗い晩材が創り出す明暗変化のリズムや、一本一本の木目よりもっと大きな周期で現れる濃淡むらなどが現れています。これらが木目の見た目の「自然さ」につながります。
木目にはさまざまな種類があります。一番見慣れているのはまさ目模様かもしれませんが、一般的に木目をというと、板目や玉杢型がイメージされる傾向があります。同じまさ目模様でも、圧縮したもの、等倍のもの、180%に拡大したものを並べると、等倍のものが一番「自然」だが圧縮したものの方が好印象という傾向が現れたりします。
木目以外に、木の色や光沢もあります。実際の生活の場では、木目よりもむしろ木材の色の方が強く意識されるのでは。一口に木の色といってもさまざまなバリエーションがあるので、カラーコーディネートが楽しめることになります。
このように木目の効果についてはさまざまな事実がありますが、なぜそうなのか、木目の魅力はどこにあるのかを、科学的に証明することによって、より有効な木材の使い方を提案していきたいと考えています。

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木造校舎と教育

(橘田紘洋氏/愛知教育大学教育学部教授)
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木造校舎と鉄筋校舎が教育現場において、子どもや教師の体調にどう影響するかについてお話しします。木造と鉄筋の大きな違いは温度や湿度をコントロールする力が木造校舎にはあることです。
暖房した各校舎で、冬場の温湿度を測った結果、木造は温度や湿度が比較的安定していてちょうどいい値で保たれる一方、鉄筋では生徒が学校で生活する時間の約半分は温度が10度以下になることがわかりました。特に足元の温度が非常に低く、座った時に頭が来る位置との温度差は9度もあるため生徒たちは足が冷たく頭が熱い、つまりのぼせやすい環境で勉強に集中しなければならないのです。眠気やだるさ、集中力欠如などの症状も鉄筋校舎にいる生徒、教師の方が出やすく生徒の保健室利用率も鉄筋の方が増加傾向にあります。同じことが保育園の床材にも言え、Pタイル床と木材床では木材の上の方が園児がじっくりと一つの遊びに集中することが分かりました。このような結果から鉄筋校舎の内装を木質化してみたらさまざまなストレス症状が改善されました。木を使った建物はより良い教育環境を形成する上でも大切なのです。

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木によるものづくり

(山下晃功氏/島根大学教育学部教授)
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今、社会的に問題になっているのは「希薄な現象」としてまとめられます。一つは人とのコミュニケーションの希薄化。二つ目はものと人とのかかわりの希薄化。三つ目は、住まいとのかかわりの希薄化です。
解決方法ですが、まず、人とのコミュニケーションについて、ものづくりは「何しているの」というように、話し掛けるきっかけになると思います。それから人とものとのかかわりを深めるためには、メンテナンスをすることが大事です。住まいとの関係も同じで、修理や掃除を自分の手でやっていく必要があります。
これらをするのに最も適したもの。それが、私は木によるものづくりではないかと考えています。木は切ったり削ったりして手を加えられます。そして年齢ごとに作れるもののバリエーションが広がります。材料が手に入りやすく、実用強度があります。さらには木を使うことで循環系社会を体系的に学ぶこともできます。
木によるものづくりは、どのような機能を持たせるか考え、実際に体を動かすことで、自分がやったことが形になっていく。これこそ肉体的で頭脳的、しかも文化的な活動ではないかと思うのです。

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